行動計画通りに業務をこなせない看護師に共通していること

看護師は、多くの患者、多くのスタッフの中で、多くのタスクを毎日こなさなければいけません。そうなると、行き当たりばったりの行動では当然上手くいかず、行動計画を立てて動かなければいけなくなります。

しかし、行動計画を立ててもその通りに業務をこなすことができないという悩みは看護師の間ではよくあります。計画通りにタスクをこなせない原因は何なのでしょうか。

最も一般的な原因が、「詰め込みすぎている」ということです。まじめな人や責任感が強い人に多いのですが、1日の行動計画をびっしりと埋めてしまうのです。忙しいのは分かりますが、明らかに不可能な時間配分でタスクを詰め込んでしまってはこなせないのは当然です。頑張りたい気持ちやプレッシャーに惑わされず、限られた時間と体力を現実的に考慮して計画を立てるようにしましょう。

全て1人でこなそうとするのも、計画が頓挫してしまう原因です。看護の仕事はチームで行うものです。特に新人の内は、たくさんの人に頼らなければ成長はできません。優秀で自尊心の高い人は、タスクを全部1人でこなして、自分に能力があることを証明しようとします。

しかし、看護の世界において、全部1人でできるということは妄想にすぎません。頑張りたい気持ちもわかりますが、人に頼ることを覚えて初めて一人前になれることを覚えておきましょう。

優先順位の付け方に問題がある可能性もあります。行動計画を立てる上では、優先順位を上手く見極めなければいけません。今やるべきタスクか、重要度の高いタスクか、時間をかけるべきタスクかをしっかり想像しながら計画を立てるようにしましょう。

うまく行動計画を立てるに看護師がやるべきこと

看護師は、日々の看護業務を行うにあたり、行動計画を立てます。それぞれ担当する患者の看護問題を計画的に解決するためのものなのです。行動計画は、看護学生が看護実習を行う時から立てるようにします。行動計画を立てる時に重要なことは、看護の中心は患者であることを念頭に置きます。ですから行動計画も患者中心に考えることが大切です。

まず、行動計画から先に考えていきます。その日の自分のスケジュールや面談など、はっきりしていることを先に行動計画に記入していきます。そして、担当する患者の検温の時間やリハビリの時間など、決まっているスケジュールを記入しましょう。

それから自分の活動予定をはめ込んでいきます。例えば「検温からリハビリまでの間に時間があるから○○検査の見学に行ってみよう」とか、「患者の歩行訓練に付き添ってみよう」などを入れていくのです。

看護学生の場合はこうして作成した行動計画から、行動目標を考えることになります。患者の状態から考えて、今日は何に焦点を当てて行動しようかを決めるのです。例を挙げると「ベッドから車いすに移乗できるよう介助する」とか、「食事の介助をする」などです。

それからこの行動目標を具体化していきます。ベッドから車いすに移乗できるように介助するのであれば、「麻痺がある方に注意しながら車いす移乗ができる」とか、「食事の介助であれば姿勢や誤嚥に注意しながら食事介助ができる」という風に具体化します。

できるだけ具体化すれば明確な行動計画になり、自分の目標もわかりやすくなります。